家族4人分の防災リュック、何を用意する?【必須アイテムリスト】

「家族4人分の防災リュックって、一体何を用意すればいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。食料、水、防災グッズ…必要なものはたくさんありますが、闇雲に詰め込めば良いというものでもありません。重すぎると持ち運びが困難になり、必要なものがすぐに取り出せないといった問題も生じます。
そこで、この記事では、家族4人が最低限必要な防災グッズを厳選し、リスト形式でご紹介します。これさえあれば、いざという時にも慌てず、落ち着いて行動できるはずです。
次の見出しからは、具体的な必須アイテムリストを見ていきましょう。
非常食の選び方と必要量:家族4人が生き抜くための備え

災害時、ライフラインが途絶えると、食料の確保は非常に困難になります。だからこそ、平時から非常食を備えておくことが、家族の命を守る上で極めて重要です。ここでは、家族4人が数日間をしのぐために必要な非常食の選び方と、その必要量について詳しく解説します。
非常食を選ぶ際の5つのポイント
保存期間の長さ: 非常食は、長期間保存できるものを選びましょう。一般的に、アルファ米や缶詰は3年~5年程度、レトルト食品も1年以上の保存が可能なものが多いです。定期的に賞味期限を確認し、ローリングストック(古いものから消費し、消費した分を買い足す)を心がけましょう。
調理の手軽さ: 電気やガスが使えない状況を想定し、そのまま食べられるものや、水やお湯を注ぐだけで食べられるものを選びましょう。アルファ米はお湯または水を注ぐだけでご飯になるため便利です。缶詰やレトルト食品も、温めなくても食べられるものが多くあります。
栄養バランス: 災害時のストレスや慣れない避難生活で、体調を崩しやすくなります。炭水化物だけでなく、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランス良く摂取できる食品を選ぶように心がけましょう。
- 炭水化物: アルファ米、パンの缶詰、クラッカーなど
- タンパク質: 肉や魚の缶詰、豆の缶詰、プロテインバーなど
- 野菜・果物: 野菜ジュース、ドライフルーツ、野菜の缶詰など
アレルギー対応: 家族の中にアレルギーを持つ人がいる場合は、アレルギー対応の非常食を選びましょう。最近では、アレルギー特定原材料7品目不使用の食品も増えています。
嗜好性: 普段から食べ慣れているものや、家族の好みに合ったものを選ぶと、非常時でも抵抗なく食べられます。特に子供がいる家庭では、子供が喜んで食べられるものも用意しておくと安心です。
家族4人分の非常食の必要量:最低3日分を目安に
一般的に、災害時の支援物資が届くまでには時間がかかることが想定されます。そのため、最低でも3日分、できれば1週間分の非常食を家族4人分備蓄しておくことが推奨されます。
成人の1日に必要なエネルギーは約2,000kcalと言われています。しかし、災害時は活動量が減ることも考慮し、1人あたり1日1,500kcal程度を目安に考えると良いでしょう。
3日分の備蓄量の目安(1人あたり)
- 主食(炭水化物): アルファ米(1食分)×3個、またはパンの缶詰×1缶、クラッカー×1缶など
- おかず(タンパク質・ビタミン・ミネラル): 肉や魚の缶詰×3個、野菜の缶詰×1個、レトルト食品(おかず系)×3個など
- その他: ビスケット、チョコレート、ドライフルーツなど(少量)
これを家族4人分に換算すると、以下のようになります。
3日分の備蓄量の目安(家族4人分)
主食: アルファ米(1食分)×12個、またはパンの缶詰×4缶、クラッカー×4缶など おかず: 肉や魚の缶詰×12個、野菜の缶詰×4個、レトルト食品(おかず系)×12個など その他: ビスケット、チョコレート、ドライフルーツなど(適量)
さらに余裕があれば、以下のものも備えておくと安心です
- 水分の多い食品: ゼリー飲料、フルーツ缶詰など
- 乳幼児がいる場合: ベビーフード、粉ミルク、液体ミルク
- 高齢者がいる場合: 柔らかく食べやすいもの、栄養補助食品
- アレルギー対応食品: 個別に対応した食品
ローリングストックで無理なく備蓄

非常食は、普段の食品を少し多めに購入し、賞味期限の近いものから消費していく「ローリングストック」という方法で備蓄するのがおすすめです。これにより、いざという時に賞味期限切れの食品しかないという事態を防ぎ、常に新しい食品を備えておくことができます。
家族構成やライフスタイルに合わせて、無理のない範囲で非常食を備蓄し、万が一の事態に備えましょう。
飲料水の確保方法:家族4人が最低3日間を乗り切るために

災害発生時、最も重要なものの一つが「水」です。断水が長期化することも想定されるため、家族4人が最低でも3日間、できればそれ以上をしのげるだけの飲料水を確保しておく必要があります。ここでは、その具体的な方法について解説します。
なぜ1人あたり1日3リットルが目安なのか?
一般的に、人が1日に必要とする水分量は、約2.5リットルと言われています。これは、食事から摂取する水分も含めた量です。しかし、災害時は精神的なストレスや衛生環境の悪化から、より多くの水分を必要とする場合があります。また、飲料水としてだけでなく、調理や衛生管理にも水が必要となる可能性も考慮し、1人あたり1日3リットルを目安に備蓄しておくことが推奨されています。
家族4人分の必要量:最低36リットル
したがって、家族4人分の飲料水の必要量は、
3リットル/人/日 × 4人 × 3日 = 36リットル
となります。できれば、さらに数日分の余裕を持たせておくと安心です。
飲料水を確保する3つの方法
備蓄する:
- ペットボトル: 最も手軽な方法です。2リットルのペットボトルであれば、家族4人×3日分で18本となります。保管場所を考慮し、まとめて購入しておきましょう。
- ウォータータンク: 大容量のウォータータンク(10リットル、20リットルなど)を用意しておくと、場所は取りますが、効率的に備蓄できます。給水車などから水を受け取る際にも役立ちます。
- 折りたたみ式給水袋: コンパクトに収納でき、持ち運びにも便利です。ウォータータンクと併せて用意しておくと良いでしょう。
- 長期保存水: 5年~10年程度の長期保存が可能な水も販売されています。備蓄スペースに余裕があれば、検討してみるのも良いでしょう。
浄水器・浄水ボトルの準備:
- 手動式浄水器: 川や雨水、お風呂の残り湯などを浄化して飲料水に変えることができる浄水器です。アウトドア用としても販売されています。
- 浄水ボトル: 持ち運びが可能で、手軽に水を浄化できるボトルです。避難生活での利用も想定して用意しておくと良いでしょう。
- 煮沸消毒の知識: 災害時は、水道水が濁っていたり、井戸水を利用したりする場合、必ず煮沸消毒をしてから飲むようにしましょう。沸騰後、数分間煮沸することで、ほとんどの細菌やウイルスを死滅させることができます。
定期的な確認を忘れずに
備蓄した水も、長期間保管していると品質が変化することがあります。定期的に賞味期限やボトルの状態などを確認し、必要に応じて入れ替えを行いましょう。
飲料水の確保は、災害を生き抜くための基本中の基本です。家族4人が安心して水分補給できるよう、しっかりと備えておきましょう。
乳幼児と高齢者のための非常食:年齢に合わせた安心と栄養を

災害時、大人と同じ非常食が、乳幼児や高齢者にとって適切とは限りません。消化機能が未発達な乳幼児、嚥下機能が低下している場合のある高齢者には、それぞれの身体の状態に合わせた特別な配慮が必要です。ここでは、乳幼児と高齢者のための非常食の選び方とポイントについて解説します。
小さな命を守る:乳幼児向けの非常食
乳幼児は、消化器官が未熟で、食べられるものも限られています。また、栄養バランスも非常に重要です。
- ミルク:
- 粉ミルク: 普段飲んでいるメーカーのものを、数日分多めに備蓄しておきましょう。哺乳瓶や消毒グッズも忘れずに。
- 液体ミルク: 調乳の手間がなく、そのまま飲ませられる液体ミルクは、非常時に非常に便利です。常温保存可能なものを選びましょう。
- 離乳食:
- レトルトベビーフード: 月齢に合わせたレトルトベビーフードは、栄養バランスも考えられており、そのまま食べさせられるので便利です。数種類用意しておくと良いでしょう。
- フリーズドライのベビーフード: お湯で溶かすだけで食べられるフリーズドライのベビーフードも、軽量で持ち運びやすくおすすめです。
- その他:
- 赤ちゃん用お菓子: ビスケットやボーロなど、普段から食べ慣れている赤ちゃん用のお菓子も、気分転換になることがあります。
- イオン飲料: 水分補給のために、赤ちゃん用のイオン飲料も用意しておくと良いでしょう。
ゆっくりと安全に:高齢者向けの非常食
高齢者は、噛む力や飲み込む力が弱くなっている場合があります。消化にも時間がかかるため、柔らかく、消化しやすいものを選びましょう。
- 柔らかい食品:
- おかゆ: 温めるだけで食べられるレトルトのおかゆや、アルファ米のおかゆタイプがおすすめです。
- やわらかいパン: パサつきにくい、柔らかいパンの缶詰などを用意しておくと良いでしょう。
- ゼリー飲料: 水分とエネルギーを同時に補給できるゼリー飲料は、食欲がない時にも取りやすいです。
- プリン・ヨーグルト: 消化しやすく、栄養も摂れるプリンやヨーグルトも、常温保存可能なものがあれば備えておくと良いでしょう。
- レトルト食品(やわらか食): 高齢者向けのやわらかく調理されたレトルト食品も市販されています。
- 栄養補助食品:
- 栄養ドリンク: 短時間でエネルギーを補給できる栄養ドリンクも、必要に応じて用意しておきましょう。
- 高カロリーゼリー: 食事量が減っている場合は、少量でエネルギーを効率的に摂取できる高カロリーゼリーも検討しましょう。
まとめ
いつ起こるかわからない災害。でも、家族の年齢や健康状態に合わせた備えがあれば、きっと大丈夫。落ち着いて、大切な家族を守ることができます。
この記事では、小さなお子さん、ご高齢の方、持病をお持ちの方がいるご家庭のために、どんなことに気をつけて、何を用意しておけばいいのかをお伝えしてきました。赤ちゃんを守るミルクやおむつ、おじいちゃん、おばあちゃんが安心して過ごせる常備薬や使い慣れたもの、そして、持病がある方がいつもと変わらずに過ごせるための薬や情報。これらの準備は、もしもの時に、お金では買えない「安心」という宝物になります。
「備えあれば憂いなし」って言いますよね。今日から少しずつでも、家族みんなで防災について話し合ってみませんか?そして、この記事でご紹介したことを参考に、できることから準備を始めてみましょう。
次のセクションでは、もしもの時に家族みんなで避難するために、何が入っていると安心な防災リュックの中身を、具体的なリストでご紹介します。一緒に確認して、いざという時に困らないように備えましょう。
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